ウルトラセブンの謎を徹底的に考察・研究 第12話(欠番)『遊星より愛をこめて』の謎を解き明かす
ウルトラセブン考察・研究 各話研究12
第12話(欠番) 遊星より愛をこめて
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ストーリー
若い女性が突然昏倒し、死亡する事件が次々に起こった。彼女たちは皆、白血球が著しく欠乏していた。
そして、もう一つの彼女たちの共通点は、地球にはない金属でできた腕時計をしていたことだった。
腕時計を女性たちにさせていたのは、地球に潜入したスペル星人たちで、彼らは、兵器の実験の失敗により被爆し、血液を必要としていたのだ。
スペル星人は、女性の血液よりも子供の血液の方が純度が高いことに気付き、腕時計を渡す対象を子供たちに切り替え、作戦を遂行しようとしたが、ウルトラ警備隊によってアジトを探り当てられると、星人の一人が巨大化して暴れだす。
アンヌの友人=山辺早苗に近づき、彼女に腕時計を渡していた男=佐竹もソガからの攻撃を受けると早苗の前で正体を現し、巨大化した。
スペル星人はウルトラホーク3号を撃墜するが、搭乗していたダンはウルトラセブンに変身。
スペル星人はウルトラセブンに倒され、スペル星人の円盤もウルトラホーク1号に撃墜された。
ウルトラセブン 第12話(欠番)『遊星より愛をこめて』の謎
「遊星より愛をこめて」とスペル星人は当初から問題とされたわけではなかった
『ウルトラセブン』第12話が欠番扱いをされ、『遊星より愛をこめて』がテレビでオンエアされなくなったのは1970年10月からのことで、1967年~1968年の最初のオンエアの時もそれまでの再放送の時も他の回と全く同様に第12話『遊星より愛をこめて』もオンエアされていたようですね。
では……なぜ1970年10月以降、第12話が欠番とされ、『遊星より愛をこめて』がオンエアされない封印作品となったのか……マニアの方はご存知だと思いますが、いちおう謎への推察編に記させてもらいます。
遊星から愛がこめられていない!?
『遊星より愛をこめて』というサブタイトルは、遊星からの来訪者=スペル星人が地球人を愛してしまった場合にのみ成立するサブタイトルだと思います。
しかし、あの桜井浩子さんが演じておられるこの回のゲストヒロイン山辺早苗は、スペル星人=佐竹のことを確かに愛してしまっていたようですが、スペル星人=佐竹の方は、特に早苗のことを愛してしまっていたようには感じられません。
ウルトラセブン 第12話(欠番)『遊星より愛をこめて』の謎への推察
封印の発端は小学館の学習雑誌
1967年12月の最初のオンエアから1970年9月までの間は特に問題とされていなかった第12話『遊星より愛をこめて』が、1970年10月になってなぜ急に問題アリとされ、凄いスピードで封印されることになったのか……原因となったのは、小学館の学習雑誌だったようです。
1970年10月に発売された学習雑誌の付録でスペル星人が「ひばくせい人」と説明されていて、この事を問題視した方がおられたのですね。
そして、その方が小学館に抗議文を送ると、その情報をキャッチした朝日新聞が「被爆者を怪獣扱い」と報じ、その後、他紙もこれに追随するかたちで報道を行い、抗議運動も起こったたようです。
その結果、第12話は欠番となり、『遊星より愛をこめて』はオンエアもソフト化もされなくなったわけです。
やはり遊星から愛はこめられていない!!
やはりどう見ても佐竹=スペル星人が、自らの立場や任務を超越して早苗のことを愛してしまっていたようには思えません。
もし、佐竹=スペル星人が、立場・任務と早苗への愛の間で苦悩し葛藤する姿が描かれていたら、『遊星より愛をこめて』は傑作になっていたかもしれませんが、残念ながら、佐竹の愛ゆえに苦悩し葛藤する姿は描かれていません。
早苗が佐竹を愛してしまっていたことは確かですから、第12話に実際の内容に即したサブタイトルをつけるとしたら『地球より愛をこめて』ですね。
封印作品である事は度外視しての第12話『遊星より愛をこめて』への評価
「封印作品」=「幻の傑作」とは必ずしも限りません。私は実相寺監督のウルトラ作品には高く評価している作品が多く、『円盤が来た』『第四惑星の悪夢』は、全ウルトラシリーズの中でもマイベスト10の中に間違いなく入れるくらいに心酔しています。(特に『円盤が来た』はマイベスト1にしてもいいくらい大好きです)
しかし……残念ながら『遊星より愛をこめて』はそれほどの傑作だとは思えません。それどころか『遊星より愛をこめて』だけは実相寺監督作品であるにもかかわらず『ウルトラセブン』のワースト5に入るかなと思っています。
もちろん、これはあくまで私個人の感想・評価にすぎませんが。
続けて 各話研究 第13話 『V3から来た男』のページをご覧ください
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