『夜毎の円盤』『美しき侵略者』などの幻のタイトル

『夜毎の円盤』『美しき侵略者』などの幻のタイトル用フォト ウルトラセブン Vol.1 [DVD]

『ウルトラセブン』には完成作品とは異なるシナリオタイトルがあった作品がある!

完成作品のエピソードタイトル、サブタイトルと脚本時のエピソードタイトル=シナリオタイトルが違っているということは、それほど珍しいことではないのかもしれませんが…

ウルトラセブン』にも完成作品で最終的に使用されたエピソードタイトルとシナリオタイトルが違っている話がけっこうありました。

今回は、それを紹介していくことにしたいと思います。

『美しき侵略者』が『湖のひみつ』に

『夜毎の円盤』『美しき侵略者』などの幻のタイトル用フォト 湖のひみつ

『ウルトラセブン』の制作第1話であること、そして、人気怪獣エレキングが登場する回として知られる『湖のひみつ』のシナリオタイトルは『美しき侵略者』でした。

シナリオタイトルの『美しき侵略者』が完成作品では『湖のひみつ』というエピソードタイトルに代わってしまったことについて、2012年に発刊された『別冊映画秘宝 ウルトラセブン研究読本』(洋泉社MOOK)に掲載されているインタビューの中でピット星人を演じた高橋礼子さんが

「美しくないから変えられちゃったんでしょう」

と語っておられますが… そんなことは絶対にないですよね!

もしかしたら、第1話が『姿なき挑戦者』で第3話が『美しき侵略者』というのはどうかなといったところで変更されたのかもしれないですね!

なお、ピット星人を演じた高橋さんは、『別冊映画秘宝 ウルトラセブン研究読本』に掲載されたインタビューと『アンヌ今昔物語 ウルトラセブンよ永遠に…』(小学館)に掲載された「特別座談会 アンヌ対宇宙人美女軍団!」で-

本当のお名前は「高橋玲子」だったのに『ウルトラセブン』のタイトルでは「礼子」という表記に間違えられてしまったということを明かしておられます。

『地球壊滅計画』が『マックス号応答せよ』に

『夜毎の円盤』『美しき侵略者』などの幻のタイトル用フォト マックス号応答せよ

『マックス号応答せよ』のシナリオタイトルは『地球壊滅計画』だったようですが…

ゴドラ星人は、ペガッサ星人、バド星人、マゼラン星人マヤなどのように地球そのものを破壊してしまおうとしていたわけではなく、壊滅させようとしていたのは、地球防衛軍の基地でしたから…

『地球壊滅計画』はエピソードタイトルに相応しいものではなかったようにも思えますね。

『宇宙空間都市』が『ダーク・ゾーン』に

『夜毎の円盤』『美しき侵略者』などの幻のタイトル用フォト ダーク・ゾーン

『ダーク・ゾーン』のシナリオタイトルは『宇宙空間都市』でした。

シナリオタイトルが宇宙空間に築かれた都市そのものだったのに対し、完成作品のエピドードタイトルは、その都市からやって来た宇宙人が潜んでいた暗闇になっていたというわけですね。

『恐怖の大洞窟』が『地震源Xを倒せ』に

『夜毎の円盤』『美しき侵略者』などの幻のタイトル用フォト 地震源Xを倒せ

申し訳ありませんが、私には『恐怖の大洞窟』というシナリオタイトルが何を意味しているものなのかわかりかねます…。

マグマライザーが地底で危機に陥った場所のことでしょうか?

それとも、ギラドラスによってウルトニウムを奪われ、地球を壊滅に導く空洞が生じてしまうことでしょうか?

『他人の星』が『盗まれたウルトラ・アイ』 に

『夜毎の円盤』『美しき侵略者』などの幻のタイトル用フォト 盗まれたウルトラ・アイ

マゼラン星人マヤにとって地球はまさに『他人の星』だったのでしょうが…

彼女を裏切り、見捨てたマゼラン星もまたマヤにとって『他人の星』だったのかもしれませんね。

市川森一氏脚本の『盗まれたウルトラ・アイ』は私の大好きな回の一つなのですが…

ダンは、ご存知のとおりに何度もウルトラアイを盗まれていますから… 個人的には、この回のエピソードタイトルは文学的な香りも漂う『他人の星』のままだった方がよかったかなと思っています。

『人間狩り』が『第四惑星の悪夢』に

『夜毎の円盤』『美しき侵略者』などの幻のタイトル用フォト 第四惑星の悪夢

『ウルトラセブン』屈指の人気エピソードである(つまり大人になっても『ウルトラセブン』を卒業しなかった人達からの人気が特に高い)『第四惑星の悪夢』のシナリオタイトルは『人間狩り』でした!

まさに悪夢の星だった第四惑星ですが… 『第四惑星の悪夢』というタイトルよりも『人間狩り』というタイトルの方が悪夢度はより上ですね…。

『夜毎の円盤』が『円盤が来た』に

『夜毎の円盤』『美しき侵略者』などの幻のタイトル用フォト 円盤が来た

私にとって『ウルトラセブン』のマイベスト1かもしれない(他にも同じくらい大好きな回がありますので「かもしれない」をつけておきます)『円盤が来た』のシナリオタイトルは『夜毎の円盤』でした。

この回の監督は実相寺昭雄さん、そして、脚本は上原昭三さんと川崎高(=実相寺昭雄さんの別名)の合作ということになっていますが… 実際には実相時昭雄さん(川崎さん)が単独で執筆されていたようです。

実相寺さんは、敬愛するルネ・クレールが監督したフランス映画『夜ごとの美女』をもじった『夜毎の円盤』というタイトルを気に入っておられ…

エピソードタイトルが『円盤が来た』に変えられてしまったことを残念がっておられたようです。

『1万五千人の侵略』が『あなたはだあれ?』に

『夜毎の円盤』『美しき侵略者』などの幻のタイトル用フォト あなたはだぁれ?

『あなたはだぁれ?』のシナリオタイトルは『1万五千人の侵略』だったようです。

実相寺昭雄さんが『夜毎の円盤』から『円盤が来た』への変更を残念がっておられたように変更されてしまったシナリオタイトルには変更後のタイトルよりも味わいのあるものが多かったように思いますが-

『1万五千人の侵略』が『あなたはだあれ?』に変更された事に関しては、直接的に内容を表していた『1万五千人の侵略』よりも変更後の『あなたはだあれ?』の方が味わい深いものになっていたかもしれませんね。

でも、『1万五千人の侵略』というタイトルにもインパクトがあり、捨て難いものだったようにも思えますが…。

【2019年7月15日】

続けて各話研究 第1話『姿なき挑戦者』のページをご覧ください

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