第32話 散歩する惑星

散歩する惑星
散歩する惑星

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ストーリー

アステロイドの小惑星の一つだったと思われる飛行物体が地球に接近しているとの宇宙ステーションV2からの連絡を受け、ウルトラホーク1号でパトロールに出たダン、フルハシ、アマギは、空を飛ぶ島を発見する。

ホーク1号は空飛ぶ島からの攻撃を受け、ダンたちは気を失う。目覚めた時、ダンたちはホーク1号ごと島=小惑星の中にいた。

小惑星の中に発見した怪しい建物の中に入ったダンたちが、そこに閉じ込められてしまっていた頃、小惑星から発せられている強力な電磁波の為、地球防衛軍 極東基地のレーダーは麻痺し、ウルトラホークの発進も不可能となっていた。

建物からようやく脱出したダンたちの前に怪獣(リッガー)が出現する。ダンはウルトラセブンに変身しようとするが、電磁波の影響で変身はできず、代わりにカプセル怪獣アギラを怪獣と戦わせる。

時限爆弾となっている小惑星は徐々に極東基地に接近し、マナベ参謀はダンたちのいる小惑星への新兵器キリーでの攻撃を余儀なくされるが……電磁波の発信源を爆破したダンがウルトラセブンに変身し、怪獣に立ち向かうと、セブン出現を知ったマナベはキリーの使用を中止する。

ウルトラセブンは怪獣を倒し、その首を持って飛び立つと、小惑星も怪獣の首に誘導され、飛び立った。

救援に駆け付けたウルトラホーク3号が飛び立った後、小惑星は爆発した。

ウルトラセブン 第32話『散歩する惑星』の謎

小惑星に植物が生えていたのはなぜ!?

第32話『散歩する惑星』に登場した時限爆弾をセットされていた小惑星が、アステロイドベルト(火星と木星の間にある小惑星が集中している領域)にあった本物の小惑星に手を加えた物だったのか、それとも小惑星を模した完全な人工物だったのかはわかりませんが……そこには、どう見ても地球のものとしか思えない植物が生えていました。

これは、いったいなぜだったのでしょうか?

なぜリッガーから誘導電波が出るようになっていたのか?

時限爆弾をセットされていた小惑星は、リッガーの頭部から出ている誘導電波に引っ張られ、地上から飛び立ち、爆発時には被害が出ないですみましたが……もしも、リッガーの頭部から誘導電波が出るようになったいなかったら、どうなっていたでしょうか?

直径1kmほどの小惑星を持ち運ぶ事はウルトラセブンにもできなかったでしょうから、地上での爆発を回避することはできなかったのではないかと思われます。

したがって、時限爆弾となっていた小惑星の地上での爆発を回避できたのは、謎の侵略者が、リッガーの頭部から小惑星を誘導する電波が出るようにしてくれていたおかげだと言えるでしょう。

謎の侵略者は、なぜリッガーの頭部から誘導電波が出るようになどしてしまったのでしょうか?

ウルトラセブン 第32話『散歩する惑星』の謎への推察

小惑星に乗り込んだ者を攪乱するためか?

謎の侵略者は、小惑星が地上に降り立った後、電磁バリアーによって外部から小惑星への侵入を阻んでいました。

しかし、万一、電磁バリアーが消えるなどして外部からの侵入を許してしまった場合に侵入者が、地上にいるように(小惑星に侵入したとは思わないように)錯覚させるために地球のものとしか思えない植物を用意していたのかもしれませんね。

そうとでも考えなければ、宇宙から飛来したはずの小惑星に地球のものとしか思えない植物があったことを納得するのは難しいでしょう。

リッガーの頭部から誘導電波が出るようにしたのは小惑星の基地への接近を止められた時のための対策だったのか!?

小惑星は地上に降り立った後、地球防衛軍 極東基地に徐々に接近していましたが、動力源を破壊されるなどして、その接近を阻止された場合でもリッガーを基地に向かわせれば、小惑星もリッガーにけん引されるようにして基地に向かうようにしていたのではないでしょうか?

そうだとすれば、そんな手を打っていたことが裏目となり、謎の侵略者は極東基地を爆破し損なったということになりますね。

ウルトラセブン 第32話『散歩する惑星』の研究ポイント

アステロイドベルトから外れた小惑星と推測される物体が地球に接近していると知ったフルハシは

「そんな星屑なんか大気圏突入の時 燃え尽きてしまいますよ」

などと言っています。そして、マナベ参謀やキリヤマ隊長もそれを特に咎めてはいません。

このへんの呑気さは、小惑星の衝突がどれだけ人類にとって脅威であるかという事、そして、恐竜の絶滅が小惑星の地球への衝突が原因である可能性がある事などがあまり知られていない時代に『ウルトラセブン』が制作されたことを物語っていると言えます。

『ウルトラセブン』よりも前に映画『妖星ゴラス』や『ウルトラマン』第25話『怪彗星ツイフォン』が制作されていますので、当時も「地球への天体の衝突」は脅威と考えられていたのでしょうが、小惑星の衝突は現在ほど驚異とは考えられていなかったのでしょう。

地球防衛軍が小惑星の激突の脅威を理解していないなら、謎の侵略者は、小惑星に時限爆弾をセットなどせずに、小惑星をそのまま極東基地に落下させていたら、案外その方が上手くいっていたかもしれないですね。

もっとも、謎の侵略者が、地球にあまりダメージを与えたくなかったために小惑星をそのまま落下させるのは避けたということも考えられるかもしれませんが。

続けて 各話研究 第33話『侵略する死者たち』のページをご覧ください

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