ウルトラセブンの謎を徹底的に考察・研究　　第34話『蒸発都市』を解き明かす

第34話　蒸発都市

蒸発都市

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ストーリー

深夜の街をポインターでソガとともにパトロール中だったダンは、特殊なマシンの音を察知し、工事現場にやって来ると、突然、銃撃を受ける。そして、銃撃してきた車に迫ったダンとソガは、ポインターごと消失してしまった。

その翌朝、ダンとソガが消失した場所で、今度はなんとビル街の一画が丸ごと消失してしまう。

ダンとソガを拉致し、ビル街を消失させた者が、有名な霊媒・ユタ花村をを通じて地球防衛軍にメッセージを送ってきた。一時的な宇宙乱流を避けるために地球にやって来た彼らは、消失させたビル街を自分たちの居住区とし、地球に留まるというのだ。そして、自分たちの居住区を探し、近づけばダン、ソガをはじめとする拉致した人間達の命を保障はしないという。

姿を消したビル街は、のどかな風景が広がる郊外の平野の中に突然現れた。ウルトラ警備隊が、そのビル街の捜索を始めると、宇宙乱流を避けてきた者たちは、それを裏切りと見做し、拉致していたダンをウルトラセブンに変身させ、ウルトラ警備隊を襲わせた。

しかし、フルハシがセブンを操っていた男を見つけ、ウルトラガンで撃つと、男は泡となり消失してしまった。

泡は巨大な怪獣（ダンカン）の姿となり、正気を取り戻したセブンと戦ったが、エメリウム光線を受けると、また泡となり消失してしまった。

ウルトラセブン　第34話『蒸発都市』の謎

もしもダンカンになった生命体が最初から地球に協力を要請していたら、いったいどうなっていたのか？

怪獣ダンカンの姿になった生命体（ダンカン星人と呼称されている場合も単にダンカンと呼称されている場合もあります）が、もしもビル街を移動させ、勝手にそれを自分たちの居住区にするという強硬な手段に出たりせずに宇宙乱流からの避難が必要な間の居住を最初から地球に要請していたらどうなっていたでしょうか？

その場合、地球は生命体の要請を受け入れていたでしょうか？

のどかな風景の中に移されたビル街はその後、どうなったのか？

第34話『蒸発都市』は

「こうして平野の中に立ったビル街を見ると美しい田園都市に見えます　ビルに心があれば、あのゴミゴミした過密都市に帰るより、この方がいいと思うかもしれません」

というナレーションが流れて終わりますが……生命体によって郊外に移動させられたビル群は、その後、どうなったのでしょう？

ゴミゴミした過密都市に再び移築されたのでしょうか？

ウルトラセブン　第34話『蒸発都市』の謎への推察

地球は生命体を受け入れていたはず

『ウルトラセブン』の舞台となっている世界の地球は、ペガッサ市の住人の地球への受け入れを決定したこともあったくらいですから、生命体が強硬な手段などに出ず、最初から地球への避難を要請していた場合、その要請を受け入れ、彼らに居住区を提供していたはずです。

タケナカ参謀が、ユタ花村（を通して生命体）に

「もし本当に一時的な滞在なら地球防衛軍は邪魔はしない　約束してもいい」

と言っていたくらいですから間違いないでしょう。

生命体は、無断で強硬な手段に出たのは相談する時間がないからだと言い訳を言っていました（ユタ花村に言わせていました）が……いきなり強硬手段に出てしまったために墓穴を掘ってしまったと言っていいでしょう。

郊外でそのまま活用された!?　それともゴーストタウンになった!?

ダンカンとなった生命体のようにビル街を丸ごと移動できるような技術を地球人が持っていれば、ビル群を元の都市部に戻していたはずです。

しかし、地球人は、もちろんそんな技術は持っていません。ビルを一度解体し、資材を運んで、また元あった場所に元のビルを建てようとしたら、莫大な費用がかかる事になったでしょう。

したがって、郊外の平野の中に移動してしまったビル街を何とかそのまま活用するか、それを諦めて平野の中のビル街をゴーストタウン化させてしまうかのどちらかを選ばざるを得なかったのではないかと思います。

建物の所有者、郊外の平野の土地の所有者などの権利が複雑に絡み合って、相当ややこしい事になったでしょうね。

ウルトラセブン　第34話『蒸発都市』の研究ポイント

脚本ではユタ花村は生命体のコントロールを拒絶していた

完成作品『蒸発都市』では真理アンヌさん演じる霊媒・ユタ花村は、自我を完全に失い、生命体の発する言葉をそのままタケナカたちに伝えていましたが……金城哲夫氏の脚本では、ユタ花村は、生命体のコントロールを拒絶し、必死に自我を保とうとしていました。

完全に自我を失い、機械的に生命体の言葉を伝えるユタ花村を演じた真理アンヌさんも神秘的でしたが、自我を保とうとして葛藤するユタ花村を演じる真理アンヌさんも見てみたかったですね。

言うまでもないでしょうが、友里アンヌとその名の元になったと言われる真理アンヌさんという二人のアンヌの競演が観られるのは、『蒸発都市』だけです。

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