『史上最大の侵略』で非常時にプロ野球が行われていた謎

史上最大の侵略(後編)
史上最大の侵略(後編)

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ダンが秋夫少年たちの作戦本部に向かっているシーンで野球中継の音声が聞こえてくるが…

『ウルトラセブン』ではプロ野球中継の音声が独特の効果を上げているシーンが『狙われた街』『円盤が来た』という実相時昭雄氏が監督を務めた回でありましたが……満田かずほ氏が監督を務めた最終回『史上最大の侵略 後編』でも野球中継の音声が聞こえてくるシーンがありました。

それは、ダンが秋夫少年たちの作戦本部に向かうシーンでしたが……この時、世界の各都市がゴース星人の地底ミサイルに狙われているという非常時にもかかわらずプロ野球の試合が行われ、その実況中継もテレビかラジオで行われていたのでしょうか?

まあ…実況中継の音声が入った以上、行われていたんでしょうね……。

プロ野球の試合が行われていた時点では、人々は世界が危機的状況にある事を知らなかった

最終回『史上最大の侵略 後編』にはゴース星人の地底ミサイルが人類を危機に陥れている事がニュースで伝えられ、人々が大混乱に陥っている場面もありますが、それは全て野球中継の音声が聞こえてくるシーンの後です。

この事から地球防衛軍や日本政府は、ゴース星人の地底ミサイルが世界各都市を狙っている事を当初は人々に公表せず、モスクワ、ニューヨーク、ロンドン、パリが犠牲になり次の標的が東京になっていると判明した時点で慌てて人々に人類が危機的状況にある事を公表したのではないかと推察ができます。

そのとおりだとすれば、ダンが秋夫少年たちの作戦本部に向かっていた時点では、一般の人々はまだ地球が危機的状況にあり、ゴース星人の地底ミサイルが東京を狙っている事を知らなかったという事になります。

その場合、プロ野球の試合が行われていたのも、その実況中継がテレビかラジオで放送されていたのも別に全く不思議ではなくなってきますね。

秋夫少年の家族の落ち着きぶりから推察しても人々が危機的状況をまだ知らなかった事は間違いない

ダンを自宅に連れ帰った秋夫少年の家の落ち着きぶりからも野球中継の音声が入るシーンの時点では一般の人々は地球が危機的状況にある事をまだ知らなかったと考えて間違いなさそうです。

『盗まれたウルトラ・アイ』で地球に恒星間弾道弾が迫っていた時も町では何も起こっていなかったようですから、地球防衛軍や各国政府は地球が危機的状況にあっても一般の人々に対してはギリギリまで公表を控えるようにしている事が推察できますね。

『史上最大の侵略 後編』で不思議なのは、プロ野球の試合が行われ、その実況中継が行われていた事ではなく、人々が危機的状況を知ったのが夜であったはずなのに人々が混乱に陥っている場面は、なぜか昼間のものになっていた事ですが、その件については各話研究48・49『第48話・第49話 史上最大の侵略 前編・後編』のページをご覧ください。

【2017年12月2日】

続けて作品世界多角的研究10『セブンをリアルタイムで観た子供達はヤマオカ長官の年齢を超えた』のページをご覧ください

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